観音崎灯台は、神奈川県横須賀市にある日本初の洋式灯台として、多くの観光客に愛され続けています。東京から日帰りで気軽にアクセスできる立地でありながら、歴史ロマンと絶景を同時に楽しめる魅力的な観光スポットです。本記事では、実際の訪問体験をもとに、観音崎灯台への最適なアクセス方法から見どころまで詳しく解説いたします。
観音崎灯台とは?日本初の洋式灯台の魅力
歴史と背景(フランス人技師ヴェルニーの設計)
観音崎灯台の歴史は、幕末の激動の時代にさかのぼります。1853年にマシュー・ペリー率いる米国海軍東インド艦隊が浦賀沖に停泊し、翌年の日米和親条約締結により日本は開国への道を歩み始めました。その13年後の1866年(慶応2年)、江戸幕府は米・英・仏・蘭の4か国との間に江戸条約を結び、洋式灯台の設置を約束したのです。
この条約を引き継いだ明治政府は、横須賀製鉄所の建設のために来日していたフランス人技師フランソワ・レオンス・ヴェルニーに灯台建設を依頼しました。ヴェルニーは製鉄所建設課長のルイ・フェリックス・フロランにその任務を委ね、こうして日本初の洋式灯台が誕生することとなったのです。
現在の灯台の特徴(3代目、高さ19m、光達距離35km)
現在の観音崎灯台は実は3代目です。明治2年(1869年)に初点灯した初代灯台はレンガ造りのモダンなデザインでしたが、大正11年(1922年)の地震で倒壊しました。翌12年にコンクリート式の塔に建て替えられましたが、関東大震災で再度倒壊し、大正14年(1925年)に現在の3代目が建設されました。
現在の灯台は白色八角形のコンクリート製で、高さ19m、光度7万7000カンデラ、光達距離は35kmに達します。海上交通の要衝である浦賀水道を航行する船舶の安全を見守り続けています。
見どころとポイント
観音崎灯台は「日本の灯台50選」に選ばれた美しい灯台で、全国に16基しかない「参観灯台」(のぼれる灯台)の一つです。灯台内部の61段の螺旋階段を登ると、展望台から東京湾と房総半島の絶景を一望できます。
【電車・バス】公共交通機関でのアクセス方法
京急浦賀駅からのアクセス(推奨ルート)

詳細ルート:
- 品川駅 → 京急本線快速特急 → 堀之内駅(乗り換え)→ 浦賀駅
- 所要時間:約55分
- 運賃:約800円
浦賀駅からは京急バス「観音崎行」に乗車し、終点の観音崎バス停で下車します。
バス詳細:
- 浦賀駅 → 観音崎バス停
- 所要時間:約15分
- バス停から灯台まで:徒歩約10分
JR横須賀駅からのアクセス
JR東海道線を利用する場合は、横須賀駅からのアクセスも可能です。
詳細ルート:
- JR横須賀駅 → 京急バス「観音崎行」→ 観音崎バス停
- 所要時間:約35分
- バス停から灯台まで:徒歩約10分
バス時刻表と料金情報
京急バスの観音崎行きは、平日・土日祝日ともに運行しています。特に週末や祝日は観光客が多いため、時刻表を事前に確認し、余裕を持った行程を組むことをおすすめします。
最新の時刻表は京急バス公式サイトで確認できます。料金は区間により異なりますが、浦賀駅から観音崎までは約300円程度です。
バス停から灯台までの徒歩ルート
観音崎バス停で下車すると、バス停前は駐車場になっており、多くの車で来た観光客でにぎわっています。灯台までは海沿いの遊歩道を歩き、途中から階段が続いています。この階段を登りきると、青空に映える白い灯台が見えてきます。
歩きやすい靴での訪問を強くおすすめします。階段の数は比較的少ないものの、灯台入口までの公園内に階段があるため、ある程度の覚悟は必要です。
【車・駐車場】マイカーでのアクセス方法
最適なルート(横浜横須賀道路経由)
車でのアクセスは以下のルートが最適です:
推奨ルート:
- 横浜横須賀道路 → 馬堀海岸IC → 国道16号経由 → 観音崎
- 馬堀海岸ICから約3km(約5分)
駐車場の詳細情報(4箇所、料金体系)
観音崎公園周辺には県営駐車場が4箇所、合計279台分用意されています。
駐車場情報:
- 営業時間:8:00~17:00(7、8月のみ8:00~18:00)
- 第一駐車場のみ:5:00~19:00
料金体系:
- 繁忙期(1月1日~1月3日、4月27日~5月12日、7月1日~8月31日、11月3日):普通車880円
- 上記以外の土日祝:普通車550円
- 平日:無料
駐車場の混雑状況と時間帯別のアドバイス
週末や祝日、特に行楽シーズンは駐車場が混雑します。早朝(8:00頃)の到着をおすすめします。平日は比較的空いており、駐車料金も無料となるため、可能であれば平日の訪問が理想的です。
観音崎灯台の基本情報・営業時間・料金

営業時間(季節別詳細)
3月~9月:
- 土日等:8:30~17:00
- 平日:9:00~16:30
10月~2月:
- 土日等:8:30~16:00
- 平日:9:00~16:00
※入場は営業終了時刻の20分前まで
※荒天や工事などにより不定休の場合があります
入場料金と参観方法
観音崎灯台の見学には参観寄付金が必要です。
料金:
- 大人:300円(参観寄付金)
- 中学生以下:無料(保護者同伴)
お問い合わせ:
- 公益社団法人燈光会 観音埼支所:046-841-0311
受付で料金を支払うと、灯台内部への入場が可能になります。受付では「あなたが選んだ日本の灯台50選」の冊子(600円)や「灯台、どうだい?」というフリーペーパーも入手できます。
所要時間の目安
- 灯台見学のみ:30分~1時間
- 公園散策込み:2~3時間
- 周辺施設見学込み:半日~1日
灯台内部見学と展望体験

61段の階段と展望台からの景色
灯台内部は人ひとりが通れるほどの狭い螺旋階段が続いています。階段の周囲には日本の灯台50選の灯台写真が飾られており、登りながら楽しむことができます。61段の階段は比較的少なく、地上3階程度の高さまで登ると外側にベランダのような踊り場があります。
展望台からの眺めは格別で、実際の訪問者によると「お天気の良い日には太陽が燦燦と輝き、海面に光が当たってきらきらと反射する美しい光景」を楽しめます。空の明るい青さと海の濃い青のコントラスト、岸壁の緑が眼に鮮やかで、まるで絵画のような美しさです。
資料館の見どころ

灯台から降りると、受付の後ろに小さな展示スペースがあります。ここでは以下の展示を見ることができます:
- 観音崎灯台の歴史
- 灯台の役割と仕組み
- 海を照らす巨大なレンズのレプリカ
- 初代灯台のレプリカ
- フランス人技師ヴェルニーの像
- 昔の新聞や関連資料
撮影スポットとフォトアドバイス

灯台とその周辺は「インスタ映え」する美しさで、多くの撮影スポットがあります:
おすすめ撮影スポット:
- 灯台展望台からの東京湾パノラマ
- 灯台を見上げるアングル
- 海岸沿いの遊歩道からの灯台全景
- 夕暮れ時のシルエット撮影
風が強い日もあるため、帽子や軽いものが飛ばされないよう注意が必要です。
観音崎公園内の他の見どころ

砲台跡(第一・第二・第三砲台)
観音崎公園内には明治時代に建設された3つの砲台跡があります。煉瓦造りの壁面や半円形の台座が美しく残されており、周囲の緑に溶け込んだ歴史的な美しさを感じられます。
砲台跡を通る裏道は階段が少なく緩やかな道になっているため、帰路におすすめのコースです。
横須賀美術館
観音崎公園内にある横須賀美術館は、海を望む絶好のロケーションにあります。美術鑑賞と絶景を同時に楽しめる貴重なスポットです。
自然博物館
観音崎自然博物館では、三浦半島の自然や海洋生物について学ぶことができます。家族連れにも人気の施設です。
BBQエリアと海水浴場
東京湾側の「観音崎園地」指定エリア内では、BBQを楽しむことができます。また、海水浴や磯遊びができる砂浜へのアクセスも可能で、キャンプをする家族連れなどでにぎわっています。
季節別・時間帯別の楽しみ方
春の桜と菜の花
3月には公園内の花の広場で桜が5分咲きとなり、菜の花も満開になります。早目の春を感じることができる絶好のシーズンです。
夏の海水浴とBBQ
夏季は海水浴やBBQが楽しめ、多くの家族連れでにぎわいます。駐車場の営業時間も延長され(8:00~18:00)、夏の思い出作りに最適です。
秋の紅葉散策
秋には公園内の木々が美しく紅葉し、灯台周辺の散策がより一層楽しめます。気候も穏やかで、ゆっくりとした観光に適しています。
冬の初日の出スポット
観音崎は房総半島から上る初日の出を見る絶好のスポットとして知られています。新年の特別な体験ができる場所です。
周辺グルメ・お土産情報

観音崎京急ホテルのレストラン
観音崎京急ホテル(〒239-0811 神奈川県横須賀市走水2-1157-2)内のカフェでは、海の眺めを楽しみながら食事ができます。実際の訪問者も「カフェからの海の眺めもよく、お腹がいっぱいになって満足」との感想を残しています。
アクセス:
- 京浜急行線馬堀海岸駅から車で約10分
- 横浜横須賀道路馬堀海岸ICより2km
地元グルメスポット
横須賀は海軍の港町として知られ、名物の「横須賀海軍カレー」を味わうことができます。観音崎周辺のレストランでも海軍カレーを提供している店舗があります。
お土産購入場所
観光の記念には「横須賀海軍カレー」がおすすめです。観音崎京急ホテルの売店などで購入できます。また、灯台受付では灯台関連のグッズも販売されています。
遠くには大小の船舶が波がしらを立てて進んでいます。ここは東京湾の入り口なのでたくさんの船が行きかっています。まるでおもちゃの船を見るようです。美しい風景に、しばし時間も忘れて灯台の上に佇んでいました。写真もいっぱい撮って、いい思い出ができました。 灯台から降りると、受付の後ろに小さな展示スペースがあり、観音埼灯台の歴史や灯台の役割、海を照らす光を生み出す巨大なレンズのレプリカなどが展示されていて、灯台にまつわる様々な知識を得ることができました。
観音崎公園内を散策
灯台からの景色を満喫した私は、公園の中を散策してみることにしました。観音埼公園は神奈川県の都市公園として整備された公園で、東京湾に突き出た観音埼のほぼ全域にわたって広がる広大な公園です。
観音埼灯台を中心として、「観音埼自然博物館」や「横須賀美術館」があり、灯台からの景色を堪能した後は、こうした施設に足を運ぶこともできます。またキャンプ場でキャンプをしたり、桟橋で釣り糸を垂れたりと思いのままに時間を過ごすことができます。公園の中にパークセンターという施設があり。そこで公園のみどころやイベントを紹介しています。始めにそこを訪ねてどこが見どころ化をチェックするのも良さそうです。
私は、海岸沿いに海を見ながら散策して、展望園地というところで今度は海に近い風景を眺めながらしばし休憩しました。ちょうど昼時になり、すぐ脇にあったレストランで食事をしようとしたのですが、さほど混んでもいないようなのに、ずいぶん待たされたので、入る気が失せて、もとの道を引き返しました。かなりの道のりを歩いて、展望園地と反対側にある観音埼京急ホテルのカフェで遅めのランチを食べました。
カフェからの海の眺めもよく、お腹がいっぱいになった私は満足して、売店でお土産の横須賀海軍カレー煎餅を買って帰路に就きました。

都心から程近い三浦半島のリゾート地、観音崎に位置するオシャレなホテルで客室、レストランから東京湾を一望!
〒239-0811 神奈川県横須賀市走水2-1157-2
アクセス :京浜急行線 馬堀海岸駅
横浜横須賀道路 馬堀海岸ICより2km
駐車場 :有 140台 無料
>>観音崎京急ホテル
アクセス時の注意点・持ち物・服装
歩きやすい服装と靴
観音崎灯台への道のりには階段が多く含まれるため、歩きやすい靴は必須です。特にヒールのある靴やサンダルは避け、スニーカーなどの歩きやすい靴を選びましょう。
階段が多いことへの注意
灯台内部の61段の螺旋階段に加え、公園内での移動にも階段があります。足腰に不安のある方は、無理をせず自分のペースで見学することをおすすめします。
天候による影響
海岸沿いのため風が強い日があります。帽子やスカーフなど、飛ばされやすいものには注意が必要です。また、天候によっては展望台からの眺めが制限される場合があります。
よくある質問(FAQ)
車椅子でのアクセスは可能?
バス停から灯台入口まではバリアフリー対応していますが、灯台内部の見学は螺旋階段のため車椅子での利用は困難です。展望については、灯台周辺の散策路から海の景色を楽しむことは可能です。
ペット同伴は可能?
観音崎公園内はペット同伴可能ですが、灯台内部への立ち入りはできません。公園内の散策時はリードの着用が必要です。
雨天時の楽しみ方
雨天時は灯台内部の見学や資料館での学習がメインとなります。また、観音崎自然博物館や横須賀美術館など、屋内施設の利用がおすすめです。
最適な訪問時間帯
平日の午前中(9:00~11:00)が最も混雑が少なく、ゆっくりと見学できます。週末の場合は開館直後の8:30頃の到着がおすすめです。
まとめ:観音崎灯台への行き方完全ガイド!
観音崎灯台は、東京から日帰りでアクセスできる魅力的な観光スポットです。日本初の洋式灯台という歴史的価値と、東京湾を一望する絶景を同時に楽しめる貴重な場所として、多くの観光客に愛され続けています。
公共交通機関を利用する場合は京急浦賀駅からのバスルートが最も便利で、車の場合は横浜横須賀道路経由でのアクセスが最適です。灯台見学だけでなく、観音崎公園内の散策や周辺施設の利用により、半日から1日の充実した観光を楽しむことができます。
歴史ロマンと絶景、そして海軍の港町横須賀ならではのグルメまで、多彩な魅力を持つ観音崎灯台への旅を、ぜひ計画してみてください。思いつきで訪れた実際の体験者も「思いのほか楽しいことがたくさんあった」と語るように、きっと素晴らしい思い出になることでしょう。