LINEでメッセージのやり取りは普通にできるのに、なぜか電話だけがかけられない──そんな困った状況に陥っていませんか。
「通話ボタンを押しても何も起こらない」 「相手に発信しても着信が届かない」 「通話が始まってもすぐに切れてしまう」
このような症状は、実は多くのユーザーが経験する一般的なトラブルです。LINE公式サポートに寄せられる問い合わせの中でも、「電話機能のみの不具合」は上位を占めています。
本記事では、LINE電話だけができない問題について、症状別の原因分析から具体的な解決手順まで、2026年最新の情報を基に包括的に解説します。iOS・Android両方に対応し、初心者でも安全に実行できる方法から、上級者向けの技術的な対処法まで段階的にご紹介します。
多くの場合、この記事で紹介する基本的な対処法で問題は解決できます。まずは焦らず、順序立てて対処していきましょう。
LINE電話だけできない主な原因と症状パターン
LINE電話の不具合は、その症状によって原因が大きく異なります。まず自分の症状がどのパターンに当てはまるかを確認しましょう。
症状パターン1：通話ボタンが反応しない
最も多いのが、通話ボタンをタップしても何も反応しないケースです。この場合の主な原因は以下の通りです：
アプリの一時的な不具合 LINEアプリ内部での処理エラーが発生し、通話機能のみが正常に動作しなくなる状況です。メモリ不足やキャッシュの蓄積が原因となることが多く、アプリの再起動で解決する場合がほとんどです。
権限設定の問題 スマートフォンのプライバシー設定で、LINEアプリにマイクやカメラの使用権限が与えられていない場合、通話機能が無効化されることがあります。特にアプリアップデート後に発生しやすい現象です。
ネットワーク接続の不安定さ Wi-Fi接続が不安定だったり、モバイルデータ通信の速度が低下している場合、LINE電話の開始処理が正常に完了しません。メッセージ送受信は軽いデータ通信で可能ですが、音声通話には安定した回線が必要です。
症状パターン2：発信はできるが相手につながらない
通話ボタンは反応するものの、相手に着信が届かない、または通話が成立しないパターンです。
相手側の設定問題 発信者側に問題がなくても、受信者側でLINE電話の受信を拒否している、または通知設定がオフになっている場合があります。相手のプライバシー設定や着信許可設定を確認する必要があります。
サーバー間の通信エラー LINE側のサーバー負荷が高い時間帯や、一時的なシステム障害により、通話の接続処理が正常に行われないことがあります。この場合は時間を置いて再試行するのが効果的です。
端末間の互換性問題 古いバージョンのLINEアプリ同士、または大幅にOSバージョンが異なる端末間では、通話プロトコルの違いにより接続が失敗することがあります。
症状パターン3：通話は開始されるがすぐに切断される
通話は開始されるものの、数秒から数十秒で自動的に切断されてしまうケースです。
音声コーデックの不一致 端末やOSバージョンによって対応している音声圧縮方式が異なり、通話品質を保てないと判断されて自動切断される場合があります。特にAndroidとiOS間の通話で発生しやすい現象です。
帯域幅の不足 インターネット回線の上り速度が不足している場合、音声データの送信が間に合わずに通話が切断されます。特に複数の端末で同時にインターネットを使用している環境で発生しやすくなります。
端末のリソース不足 メモリやCPUの使用率が高い状態でLINE電話を使用すると、音声処理が追いつかずに通話が不安定になります。バックグラウンドで動作している他のアプリが影響することも多いです。
【基本対処法】誰でもできる5つの解決手順
ここからは、症状に関わらず最初に試すべき基本的な対処法を順序立てて説明します。これらの方法は多くのケースで効果的であることが知られています。
手順1：LINEアプリの完全再起動
最も簡単で効果的な方法が、LINEアプリの完全再起動です。単純にアプリを閉じるだけでなく、メモリから完全に削除する必要があります。
iPhoneの場合：
- ホームボタンを2回押す（iPhone X以降はホーム画面から上にスワイプして途中で止める）
- アプリ一覧からLINEアプリを見つける
- LINEアプリを上にスワイプして完全に終了
- ホーム画面からLINEアプリを再度開く
Androidの場合：
- 最近使ったアプリボタン（四角いボタンまたは画面下からスワイプ）をタップ
- アプリ一覧からLINEを見つけて上にスワイプまたは「×」をタップ
- 設定 > アプリ > LINE > 強制停止をタップ（確実に停止させる場合）
- ホーム画面からLINEアプリを再起動
この方法により、アプリ内で蓄積された一時的なエラーやキャッシュの問題が解決されます。再起動後は数分待ってから通話を試すことをお勧めします。
手順2：端末の再起動
アプリの再起動で解決しない場合は、スマートフォン本体を再起動します。端末全体のメモリとシステムリソースがリフレッシュされ、より深層的な問題が解決される可能性があります。
正しい再起動手順：
- 電源ボタンを長押しして電源メニューを表示
- 「再起動」または「電源を切る」を選択
- 完全に電源が切れるまで待つ（約30秒）
- 電源ボタンを押して再度起動
- 起動完了後、LINEアプリで通話を再試行
再起動により、バックグラウンドで動作していた不要なプロセスが終了し、システムリソースに余裕が生まれます。また、ネットワーク接続も新しく確立されるため、接続関連の問題も解決されることが多いです。
手順3：ネットワーク接続の確認と切り替え
ネットワーク環境の問題は、LINE電話特有のトラブル原因として非常に多く見られます。メッセージ送受信は可能でも、音声通話には更に安定した通信環境が必要だからです。
Wi-Fi接続の確認：
- 設定アプリでWi-Fi信号強度を確認（3本以上が理想）
- 他のデバイスでインターネット速度をテスト
- ルーターの位置やアンテナの向きを調整
モバイルデータとWi-Fiの切り替え：
- Wi-Fi接続中なら一度Wi-Fiをオフにしてモバイルデータで試行
- モバイルデータ使用中ならWi-Fiに接続して試行
- どちらでも問題が発生する場合は回線品質の問題が疑われる
通信速度の簡易確認： LINEの音声通話には安定したインターネット接続が必要です。ブラウザで「speedtest.net」などの速度測定サイトにアクセスして、お使いの回線速度を確認してみましょう。
手順4：LINEアプリの権限設定確認
スマートフォンのプライバシー設定により、LINEアプリが通話に必要な機能にアクセスできない場合があります。特にアプリアップデート後は設定がリセットされることがあるので要注意です。
iPhoneでの権限確認手順：
- 設定アプリを開く
- 下にスクロールして「LINE」を選択
- 以下の項目がオンになっているか確認：
- マイク：オン（必須）
- カメラ：オン（ビデオ通話を使用する場合）
- 通知：オン（着信を受信する場合）
- オフになっている項目があれば、タップしてオンに変更
Androidでの権限確認手順：
- 設定 > アプリ > LINE を選択
- 「権限」または「アプリの権限」をタップ
- 以下の権限が許可されているか確認：
- マイク：許可
- カメラ：許可（ビデオ通話使用時）
- 電話：許可（通話機能に影響）
- 拒否されている権限があれば、タップして「許可」に変更
権限設定の変更後は、LINEアプリを一度完全に終了して再起動することで設定が反映されます。
手順5：LINEアプリ内通話設定の確認
LINEアプリ内部にも通話に関する設定項目があります。これらの設定が適切でないと通話機能が制限される場合があります。
LINE内設定確認手順：
- LINEアプリを開く
- 右下の「ホーム」タブをタップ
- 右上の設定ギア（歯車）アイコンをタップ
- 「通話」を選択
- 以下の設定を確認：
- 「通話の着信許可」：オン
- 「iPhoneの基本通話と統合」：オフ推奨（iPhoneのみ）
- 「通話音の改善」：オン推奨
- 「ビデオ通話の画質設定」：自動またはオン
特に「通話の着信許可」がオフになっていると、発信はできても着信ができない状態になります。また、「iPhoneの基本通話と統合」は便利な機能ですが、稀に通話の競合を起こすことがあるため、トラブル時は一時的にオフにすることをお勧めします。
【iOS版】iPhone特有の設定確認と対処法
iPhoneには独特のシステム設定があり、これがLINE電話の動作に影響を与えることがあります。
Do Not Disturb（おやすみモード）の影響
iPhoneのおやすみモードは、LINE通話の着信もブロックすることがあります。
確認・解除手順：
- コントロールセンターを開く（画面右上から下にスワイプ）
- 三日月アイコンが紫色になっていないか確認
- 紫色の場合はタップして解除
- または設定 > おやすみモード で詳細設定を確認
iOSのバックグラウンドApp更新
バックグラウンドでのアプリ動作が制限されていると、LINE通話の品質に影響します。
設定確認手順：
- 設定 > 一般 > Appのバックグラウンド更新
- 「Appのバックグラウンド更新」がオンになっているか確認
- 下にスクロールしてLINEの項目もオンになっているか確認
- オフの場合はオンに変更
Low Power Mode（低電力モード）の影響
バッテリー残量が少なくなると自動的に有効になる低電力モードは、通話品質を低下させる原因となります。
確認・解除手順：
- 設定 > バッテリー > 低電力モード
- オンになっている場合は一時的にオフに変更
- 通話終了後は必要に応じて再度オンに戻す
iOS特有のネットワーク設定リセット
上記の方法で解決しない場合、ネットワーク設定の完全リセットが効果的です。
実行手順（注意：Wi-Fiパスワードが削除されます）：
- 設定 > 一般 > リセット
- 「ネットワーク設定をリセット」をタップ
- パスコードを入力
- 確認画面で「ネットワーク設定をリセット」を再度タップ
- 端末が再起動されるので、Wi-Fi設定を再構成
【Android版】Android特有の設定確認と対処法
Android端末には、メーカーやOSバージョンによって独自の設定項目があります。
バッテリー最適化の除外設定
Androidの自動バッテリー最適化機能がLINEの動作を制限している可能性があります。
設定手順（一般的なAndroid）：
- 設定 > バッテリー > バッテリー最適化
- 「すべてのアプリ」を選択
- LINEを見つけてタップ
- 「最適化しない」を選択
- 「完了」または「保存」をタップ
Samsung Galaxy端末の場合：
- 設定 > 端末のメンテナンス > バッテリー
- アプリの電力管理 > 監視されていないアプリ
- 「アプリを追加」でLINEを追加
データセーバーの設定確認
データ使用量を制限する機能がLINE通話をブロックしている場合があります。
確認手順：
- 設定 > ネットワークとインターネット > データ使用量
- データセーバー がオンの場合、「制限なしのアプリ」を確認
- LINEが制限なしのリストに含まれているか確認
- 含まれていない場合は追加
Android特有のアプリ権限管理
Androidには詳細な権限管理機能があり、通話に必要な権限が複数に分かれています。
詳細権限確認：
- 設定 > アプリ > LINE > 権限
- 以下の項目を個別に確認：
- マイク：許可
- 電話の発信と管理：許可
- カメラ：許可
- 位置情報：許可推奨
- ストレージ：許可
「電話の発信と管理」権限は特に重要で、これが拒否されているとLINE通話が正常に機能しません。
【上級編】ネットワーク・端末深部の解決法
基本的な対処法で解決しない場合の、より技術的なアプローチをご紹介します。
DNS設定の変更
ISP提供のDNSサーバーが不安定な場合、より高速なパブリックDNSに変更することで通話品質が改善される場合があります。
Wi-Fi接続でのDNS変更（iPhone）：
- 設定 > Wi-Fi > 接続中のネットワーク名横の「i」をタップ
- 「DNS構成」→「手動」
- 既存のDNSを削除し、以下を追加：
- 8.8.8.8（Google DNS）
- 1.1.1.1（Cloudflare DNS）
- 保存後、Wi-Fi接続を一度切って再接続
LINEアプリのキャッシュと一時ファイルの完全削除
Androidでの詳細キャッシュクリア：
- 設定 > アプリ > LINE > ストレージ
- 「キャッシュを削除」をタップ
- さらに「データを削除」も検討（注意：ログインが必要）
iPhoneでの対処法： iPhoneではアプリの個別キャッシュクリアができないため、LINEアプリを一度削除して再インストールする方法が効果的です。ただし、トーク履歴のバックアップを事前に必ず作成してください。
ルーターの設定確認（上級者向け）
自宅のWi-Fi環境で問題が発生している場合、ルーターの設定に原因がある可能性があります。
確認すべき項目：
- QoS（Quality of Service）設定：音声通話を優先する設定
- UPnP（Universal Plug and Play）：有効になっているか確認
- ファイアウォール設定：LINE通話で使用するポートがブロックされていないか
それでも解決しない時の最終手段
上記の方法をすべて試しても問題が解決しない場合の最終的な対処法です。
LINEアプリの完全再インストール
事前準備（重要）：
- LINEアプリ内で「設定」→「トーク」→「トーク履歴のバックアップ」を実行
- 電話番号とメールアドレスが正しく登録されているか確認
- パスワードを覚えているか確認
再インストール手順：
- LINEアプリを端末から削除
- App Store/Google Playから最新版のLINEをダウンロード
- 電話番号認証を行ってアカウントを復元
- トーク履歴を復元
端末の初期化（最終手段）
ソフトウェア的な問題が深刻な場合、端末の初期化が必要になることがあります。ただし、この方法はすべてのデータが削除されるため、十分なバックアップを作成してから実行してください。
LINE公式サポートへの問い合わせ
技術的な方法で解決できない場合は、LINE公式サポートに直接問い合わせることをお勧めします。
問い合わせ前に準備する情報：
- 使用している端末名とOSバージョン
- LINEアプリのバージョン
- 問題が発生し始めた時期
- 試行した対処法の詳細
- エラーメッセージのスクリーンショット
よくある質問
Q1: メッセージは送れるのに通話だけできないのはなぜですか？
メッセージ送受信と音声通話では、必要な通信品質や権限設定が異なるためです。メッセージは数KB程度の小さなデータで済みますが、音声通話はリアルタイムで安定した帯域幅が必要です。また、通話にはマイクやシステムレベルの権限が必要で、これらの設定に問題があると通話のみが失敗する状況が発生します。
Q2: 相手には着信が行くのに自分だけ着信が来ないのはなぜですか？
最も多い原因は通知設定やプライバシー設定の問題です。LINE内の「通話の着信許可」がオフになっていたり、スマートフォンの「おやすみモード」や「サイレントモード」が有効になっている可能性があります。また、バッテリー最適化機能によってLINEアプリがバックグラウンドで制限されている場合も同様の症状が現れます。
Q3: WiFi接続時だけLINE電話ができないのですが？
Wi-Fiネットワークのセキュリティ設定やファイアウォールがLINE通話に必要な通信をブロックしている可能性があります。特に会社や学校のWi-Fiでは、音声通話アプリケーションの使用が制限されていることがあります。モバイルデータ接続では正常に動作する場合は、Wi-Fi環境固有の問題と判断できます。
Q4: アプリを最新版にアップデートしてから通話できなくなりました
アップデート後は権限設定がリセットされることがあります。スマートフォンの設定でLINEアプリのマイク、カメラ、電話権限が許可されているか再確認してください。また、新しいバージョンで不具合が発生している可能性もあるため、LINE公式の不具合情報も確認することをお勧めします。
Q5: 特定の人とだけ通話ができないのはなぜですか？
相手側の設定に問題がある可能性が高いです。相手が「通話の着信許可」をオフにしていたり、あなたをブロックまたは非表示に設定している場合があります。また、相手の端末が古いOSやLINEバージョンを使用している場合、通話プロトコルの互換性の問題で接続できないことがあります。
Q6: 通話は開始されるが音声が聞こえません
マイクやスピーカーの権限設定、または音量設定に問題がある可能性があります。通話中に音量ボタンで調整を試し、スピーカーボタンのオン・オフも確認してください。また、Bluetoothイヤホンが接続されている場合は、音声がそちらに出力されている可能性もあります。
Q7: LINE通話の音質が悪い・途切れるのは改善できますか？
通話品質は主にインターネット接続の安定性に依存します。Wi-Fi信号強度を確認し、可能であれば5GHz帯域のWi-Fiを使用することをお勧めします。また、LINE設定内の「通話音の改善」機能をオンにし、通話中は他のアプリを閉じてリソースを確保することも効果的です。
まとめ：症状別解決フローチャート
LINE電話だけができない問題は、原因が多岐にわたるため段階的なアプローチが重要です。本記事で紹介した方法を症状別に整理すると以下のようになります。
通話ボタンが反応しない場合：
- LINEアプリの再起動
- 端末の再起動
- アプリ権限の確認
- LINEアプリの完全再インストール
発信はできるが相手につながらない場合：
- 相手の設定確認を依頼
- 時間を置いて再試行
- 別の通信手段で相手に確認
- LINE公式の障害情報を確認
通話が途中で切断される場合：
- ネットワーク接続の安定性確認
- バックグラウンドアプリの終了
- Wi-Fi/モバイルデータの切り替え
- DNS設定の変更
重要なのは、焦らずに基本的な対処法から順番に試すことです。多くのケースは基本的な5つの手順で解決できるため、まずはアプリの再起動から始めることをお勧めします。
それでも解決しない場合は、お使いの端末やネットワーク環境に固有の問題がある可能性があります。本記事の上級編の対処法を参考にするか、LINE公式サポートへの問い合わせを検討してください。
LINE電話は日常的なコミュニケーションツールとして欠かせない機能です。この記事の情報を活用して、快適な通話環境を取り戻していただければ幸いです。
