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日本の灯台50選と参観灯台の魅力

日本の灯台50選と参観灯台の魅力
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灯台の種類と数

10月末の晴天に恵まれた日、東京から日帰りで行ける灯台を探していた私は、三浦半島にある日本で最初の洋式灯台として知られる観音埼灯台に行ってきました。灯台に登ってみると、その景色の美しさ、吹く風の心地良さ、灯台のなりたちや歴史に惹かれて、別の灯台にも行ってみたくなりました。そこで日本にはどんな灯台があるのか、代表的なものを調べてみることにしました。

沿岸灯台日本には全国津々浦々に灯台があり、その数は3千を超えるとも言われていますが、そのすべてが観音埼灯台のような人目を引く建物であるわけではありません。灯台には大きく2つ種類があって、観音埼灯台のような岬の先端に立っている塔状の灯台は「沿岸灯台」と言われるもので、私たちが普段灯台と呼んでいるものは沿岸灯台である可能性が高いです。

防波灯台もう一つは「防波堤灯台」といって、この灯台は港の出入口に立っていて、防波堤の端を示しています。船は湾内に入ると、右手に赤、左手に白の防波堤灯台を見ながら航路を取ります。背の低い小ぶりな沿岸灯台のような形をしています。海の中にポツンと灯台のようなものが見えたら、それは防波堤灯台です。

灯台は船舶の航路を示す航路標識で、光で航路を示しているので専門用語では「光波標識」と呼ばれますが、この光波標識には灯台の他に「灯標」、「灯浮標」、「照射灯」、「導灯」、「指向灯」などがあり、これらを全部合わせると2千ほどの数になり、灯台と合わせると5千を超える光波標識があります。

灯台の人気投票

一口に灯台と言っても、灯台には「沿岸灯台」と「防波堤灯台」があることがわかりました。私たち一般人にとっては、灯台と言えば観音埼灯台のような岬の突端に立つ沿岸灯台でしょう。ここから先は沿岸灯台に的を絞って調べていくことにします。

沿岸灯台の中でどの灯台に行くかを決めるにあたって、参考になると思われるのが「日本の灯台50選」です。これは1998年の11月1日の第50回灯台記念日の行事として海上保安庁が公募で選んだ、国民に人気のある灯台50基のことです。いわば灯台の人気投票ですね。北は北海道から南は宮古島まで、美しい50基の灯台が紹介されています。
地域別に見ると北海道が9基、東北地方が9基、関東地方が3基、中部地方が11基、近畿地方が2基、中国地方が4基、四国地方が4基、九州・沖縄地方が8基です。

せっかく足を運んで灯台まで行くのですから、中に入って上に登って絶景を楽しみたいですよね。灯台の中には参観寄付金300円を払うと、中に入って回廊と言われるバルコニーまで登れる「参観灯台」、別名、「のぼれる灯台」が全国に16基あります。

老後の達人
老後の達人

先ほどご紹介した「日本の灯台50選」の中に「のぼれる灯台」は14基あります。
青森県の尻屋埼灯台、秋田県の入道埼灯台、福島県の塩屋埼灯台、千葉県の犬吠埼灯台、野島埼灯台、神奈川県の観音埼灯台、静岡県の御前埼灯台、三重県の安乗埼灯台、大王埼灯台、和歌山県の潮岬灯台、山口県の角島灯台、島根県の出雲日野岬灯台、宮崎県の都井岬灯台、沖縄県の平安名埼灯台の14基です。

保存灯台とは

「日本の灯台50選」と「のぼれる灯台」を見てみましたが、これとは別に、「保存灯台」という灯台があります。これは明治時代に建設されて、今でも現役で活躍中の灯台の中で、特に歴史的・文化財的に価値が高いものを、海上保安庁が選んで保存処置を講じている灯台です。

日本の灯台のうち、明治時代に建設され、今なお活躍中の灯台が全国に67基あります。これらの灯台はどれも建設後100年ほどの年月が経過して、その歴史的・文化財的価値が高まっているとして、海上保安庁が1985年に灯台の文化資産的な価値を検討し、67基の灯台を、価値の高い順に、Aランク(23基)、Bランク(10基)Cランク(16基)、Dランク(18基)の4つに分類しました。

老後の達人
老後の達人

Aランク23基のうち17基が、「日本の灯台50選」に入っています。またその中で「のぼれる灯台」は尻屋埼灯台、犬吠埼灯台、御前埼灯台、潮岬灯台、角島灯台、出雲日野岬灯台の6基です。

第1等灯台とは

今まで見てきた灯台の分類やランキングは主に灯台を建築物として評価したものでした。外観の美しさであったり、施工方法が革新的であったり、当時としては珍しい材料を使用したり、歴史的・文化財的な価値が高いかどうかでした。もちろん灯台の魅力は灯台そのものの美しさに負うところが大きいですが、灯台本来の機能の評価もあります。

灯台の機能とは、「光波標識」としての機能、すなわち光を発して信号を送り、航海を安全に導く機能です。灯台が発する光はその灯台ごとに異なり、どこの灯台の光なのかが分かるように、灯台ごとに光り方が決まっています。また、灯台で使用しているレンズには、レンズの焦点距離の長さにより、レンズの大きい順に第1等から6等までと、6等より小さい、等外という等級があります。最も大きなレンズを使用している灯台は第1等灯台と呼ばれています。

老後の達人
老後の達人

日本で最初の第1等灯台は野島埼灯台でしたが、現在では第2等灯台に変わっています。現在も活躍している第1等灯台で、最も古いものは角島灯台です。現存する第1等灯台は、犬吠埼灯台、経ヶ岬灯台、出雲日御崎灯台、角島灯台、室戸岬灯台の5基です。第1等灯台の中で、50選にも入り登れる灯台でAランクの保存灯台は、犬吠埼灯台、出雲日御崎灯台、角島灯台の3基になります。

灯台の東西横綱                                     

さて、ここでちょっと世界にも眼を向けてみましょう。国際航路標識協会という団体が1998年に提唱した「世界各国の歴史的に特に重要な灯台」が100基あり、これを「世界灯台100選」と呼んでいます。この100選の中に日本の灯台が5基入っています。犬吠埼灯台、姫埼灯台、神子元島灯台、美保関灯台、出雲日御崎灯台です。

ここまで主要な指標を5つ並べてみました。「日本の灯台50選」に選ばれた「のぼれる灯台」で、海上保安庁が指定する「Aランクの保存灯台」であり、また第1等のレンズを持つ「第1等灯台」で、かつ、「世界灯台100選」に名を連ねる灯台は、2基ということになります。奇しくも、東に1基、西に1基です。私はこれを東西の横綱に例えることにしました。

東の横綱|犬吠埼灯台

犬吠埼灯台犬吠埼灯台は北米航路の重要な灯台として、「日本の灯台の父」と呼ばれたイギリス人技師R.H.ブラントンの設計・施工監督のもとに明治5年(1872年)9月28日に着工し、明治7年(1874年)11月15日に完成、点灯しました。灯塔に使われた煉瓦は、現在の成田市で作られた国産煉瓦で、当初ブラントン技師は、国産の煉瓦は粗悪品だと言って反対しましたが、良質の土を探し、制作にも苦心を重ねた結果、外国製と遜色のない高い品質の煉瓦が完成しました。現存する煉瓦作りの灯台としては、尻屋埼灯台に次ぐ2番目の高さです。

また、第1等4面レンズを通して、110万カンデラの光を発しており、まさに日本を代表する灯台の一つと言われています。「のぼれる灯台」ですので、回廊と呼ばれるバルコニーから海を一望できます。現在は国の登録有形文化財ですが、令和2年度(2020年度)に重要文化財に指定される予定となっています。

西の横綱|出雲日御崎灯台

出雲日御碕灯台出雲日御崎灯台は明治36年(1903年)4月1日に点灯した石造りの灯台で、灯塔の高さが約44mと日本一の高さを誇ります。設計・工事は日本人のみによって進められましたが、明治初期に外国から導入された石造りの灯台構築技術と日本の古来からの築城や石工技術が融合した傑作として、高い評価を得ています。

そのような文化財的な価値が高いこの灯台を、取り壊してコンクリート造りの灯台に変えようという動きが昭和47年(1972年)にあったそうです。耐震性が不足しているのではないかというのがその理由でした。灯塔振動実験の結果、耐震性に問題はないということが立証されて計画は中止となり、完成から115年を経た今もその美しい姿を見ることができます。

まとめ

灯台を評価する5つの指標や基準をもとに、私なりに灯台の横綱を選んでみました。もちろんこれらは私が選んだ東西横綱であって他にも、もっといろんな切り口で「私が選ぶ灯台」があると思います。私はまだ観音埼灯台しか行ったことがない初心者なので、まずはメジャーな灯台を抑えてから、自分の興味が向く灯台の魅力のポイントを探してみたいと思います。

灯台の周囲には観光スポットや温泉もあり、一帯を公園として整備しているところや、灯台にまつわる博物館や資料館を併設しているところもあります。出雲であれば、言わずと知れた出雲大社がありますし、銚子と聞けば、赤字路線対策でユニークな施策を出して話題を提供している銚子電鉄に乗ってみたくなります。次回はこの東西横綱のどちらかの灯台に行ってみようと思います。

老後の達人
老後の達人

灯台はそそるこの記事を書くにあたって、不動まゆうさんの著書「灯台はそそる」と公益社団法人燈光会が発行している「あなたが選んだ日本の灯台50選」を参考にさせて頂きました。興味のある方は読んでみてください。
灯台マニアの女性が、灯台の素晴らしさを伝えたいという情熱にあふれた作品で、熱い思いがひしひしと伝わってきます。
灯台や灯台守の歴史、その深さに感動です!!
GPSの発達で灯台の必要性が薄れてきていると言われている昨今、その文化的な価値の高さを再認識して、灯台巡りの旅に出かけてたくなるおすすめの一冊です(^^♪