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シニア一人旅で犬吠埼灯台に行ってみよう

シニア一人旅で犬吠埼灯台に行ってみよう
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なぜ犬吠埼灯台は東の横綱なのか

日本の代表的な灯台について調べていた私は、灯台にはそれを評価するいくつもの指標があることを知りました。中でも、「日本の灯台50選」「世界灯台100選」「参観灯台(のぼれる灯台)」「保存灯台」「灯台のレンズの等級」の5つの指標は、日本を代表する灯台を知る上で重要な指標と言えるでしょう。

この5つの指標において「日本の灯台50選」と「世界灯台100選」に入り、第1等級のレンズを持ち、登れるAランクの保存灯台は、千葉県の犬吠埼灯台、島根県の出雲日御崎灯台の2基しかありません。この2基の灯台はまさに横綱とも呼べる灯台です。この2基の灯台の実物を見てみたいという気持ちがどんどん強くなってきました。東京に住んでいる私は、まずは東の横綱である犬吠埼灯台へ行ってみたいと思いました。

犬吠埼灯台

犬吠埼灯台は千葉県の銚子半島の突端にあり、北米航路の重要な灯台として、明治7年(1874年)11月15日に完成、点灯しました。今年で146年が経過しましたが、第1等4面レンズにより110万カンデラの光を放ち、今なお現役で活躍中です。

灯台の脇には資料館があって、犬吠埼灯台の歴史、機能、役割について知ることが出来ます。また沖ノ島灯台で使われた国産第1号の1等レンズや犬吠埼灯台で最初に使われた1等レンズなどの貴重な資料も展示されています。霧笛が使われていたころの霧笛舎を見ることもできます。

灯台を臨む君が浜には、海岸沿いに灯台を1周する遊歩道があり、白亜の灯台を見上げる砂浜や、白い波しぶきが砕け散る岩礁を見ることができます。また周辺には多くの温泉宿があり、そこに投宿した文化人の歌碑なども残っています。灯台を見た後は周囲を散策するのも楽しそうです。

東京から犬吠埼灯台に行くには

まずは、東京から犬吠埼灯台に行くとしたらどうやって行くかを調べました。犬吠埼灯台は、銚子半島の最東端、太平洋に突き出た岬にあります。私は車を持っていないので電車かバスで行きます。

しおさい3号電車の場合は、まず東京駅からJR総武本線で銚子まで行きます。一番速い方法は、特急「しおさい号」に乗ることです。運賃が2,270円(税込)で特急料金は自由席の場合が1,340円(税込)、指定席の場合が1,860円(税込)です。繁忙期は200円増し、閑散期は200円引きです。1時間50分程度で銚子に着きます。一番早い特急は、10:11発11:57着の「しおさい3号」です。普通列車の場合は更に1時間程かかるようです。

次に銚子から銚子電気鉄道、通称銚子電鉄に乗って犬吠埼まで行きます。銚子電鉄は銚子から外川までの10駅を約20分で結んでいて、外川の一つ手前の犬吠で降車します。「しおさい3号」に接続する電車は12:20発があるようです。犬吠着は12:40、そこからは徒歩約10分で灯台にたどり着けるので、午後には灯台に登れそうです。

 TeaCup 京成バス 銚子東京線(犬吠号)バスの場合は東京駅から犬吠埼まで「犬吠号」という高速バスが運行しています。
所要時間は約2時間半です。9:40に東京駅八重洲口を出発するバスに乗れば12:12に犬吠埼に到着後5分で灯台です。料金は特急電車を利用することに比べるとかなり割安で2,600円(税込)です。

電車で行っても、バスで行っても、東京駅から犬吠埼灯台まで2時間半は掛かります。自宅から東京駅までの所要時間を加味すれば3時間以上です。片道3時間以上かけていくのであれば日帰りではなく、宿泊してゆっくり周辺の観光もした方がいいなあと思いました。

灯台の楽しみ方

ところで、一口に灯台を見ると言っても、灯台のある風景は時間によって変わります。まずは何と言っても、お天気の良い昼間の青い空と海、白い雲の中に佇む灯台の風景です。雑誌の表紙になったりするのはこうした灯台を中心にした空と海の風景であり、灯台の上に登って回廊と呼ばれるバルコニーから眺める360度のパノラマの風景です。

そして、夕暮れになって灯台が仕事を始めるころ、明りが点灯して力強い光が海を照らし始めた時の、暮れなずむ空に放たれる光とのコントラスト、夜の星空の中で海の道を煌々と照らし続ける光の帯、夜が明けると静かに勤めを終え、明りが消えて眠りにつく時などがあります。

灯台の点灯時間は通常は日没から日の出までです。12月5日の東京の日の出時刻は6時36分、日の入り時刻は16時28分なので、概ねこの時間帯に点灯していることになります。せっかく灯台に行くのであれば、昼間の青い空と海に映える時間帯、夕方の点灯時間帯、夜の星空の中で航路を照らす時間帯、そして一日の役目を終えて消灯する時間帯のそれぞれの姿を見たいものです。

そうなると、やはり灯台の近くでせめて1泊はしたいものです。朝方家を出て、昼過ぎに灯台に到着して、昼間の雄姿を眺めたら、灯台の付近を散策して、夕方には日暮れの灯台を見守ります。それからホテルに行って夕食を食べてから、また灯台の近くに行って、夜の光を堪能します。翌朝は早起きして日の出とともに灯台が眠りにつく姿を見てからゆっく朝食を摂ります。それから周囲を観光して、夕方東京に向かうプランなら灯台も観光も満喫できそうです。

犬吠埼温泉

犬吠埼温泉古くから観光名所や保養地として有名な犬吠埼ですが、明治7年(1874年)創業のぎょうけい館を始め、多くのホテル、民宿が営業していましたが、長い間温泉が湧き出ることはありませんでした。平成8年(1996年)に犬吠埼観光ホテルが大規模な温泉掘削を行って源泉の開発に成功し、そこから温泉地としての発展が始まりました。現在、犬吠埼温泉郷には日帰り温泉や素敵な宿があります。そのいくつかを簡単に紹介しましょう。

まず始めは、温泉郷を代表するぎょうけい館(犬吠駅から徒歩8分)です。創業から140年、明治7年より多くの著名人が宿泊した老舗旅館で、高村光太郎が「智恵子抄」を書いたことでも知られています。

犬吠埼観光ホテル(犬吠駅から徒歩10分)は平成8年(1996年)に1,066mの天然温泉、潮の湯の源泉開発に成功し、温泉郷としての歴史の先駆けとなりました。立地が抜群で海の近さは銚子No.1です。階段下りて浜辺に行くも良し、部屋から海満喫も良しの眺望抜群のホテルです。

 

老後の達人
老後の達人

犬吠埼観光ホテル犬吠埼観光ホテル(犬吠駅から徒歩6分)は、平成12年(2000年)に深さ1,300mからを天然温泉、黒潮の湯の開発に成功しました。オーシャンビューの露天風呂が人気です。
水平線より昇まばゆい朝陽。光り輝くオーシャンブルーと白亜の灯台のコントラスト。ライトアップされた幻想的な海の波打ち際と月明りに照らされる海。海音と潮風で旅の気分が盛り上がります!!

>>犬吠埼観光ホテル

 

銚子ジオパーク

銚子ジオパーク

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せっかく犬吠埼まで来たのですから、周辺を観光しない手はありません。銚子周辺で私が惹かれたのが銚子ジオパークです。銚子ジオパークは銚子市全域に渡っています。千葉県のゆるキャラ、チーバくんの耳の部分にあたるところです。

ところで、ジオパークとはどんなものなのでしょう。ジオパークとはジオツーリズムを楽しむところで、ジオツーリズムとは、単に景色や風景を楽しむだけでなく、その成り立ちの地球科学的な背景や、人間生活とのかかわりを学ぶ観光のスタイルのことを言います。

銚子市は、その成り立ちから大きく3つの部分に分けてとらえることが出来ます。

1つ目は犬吠埼を含む銚子半島の突端の部分、チーバくんの耳の先っぽのエリアです。ここは2億年前から1700年前くらいにできた大地で、犬吠埼は1.2億年前にできた地層で、恐竜時代の浅い海だった痕跡を海岸で観察することが出来ます。

2つ目は銚子半島の南側のエリア、下総(しもうさ)台地の北東端になります。このエリアは500万年前から数万年前までにできた地層で、屏風ヶ浦は隆起してできた下総台地が太平洋の荒波で削られてできた崖です。約300年前~90万年前の地層と約10万年前の地層が観察できます。

3つ目は半島の北側のエリアで、2万年前の寒く、水面が低かった時期以降に堆積した地形です。九十九里浜や茨城県に続く海岸線の砂丘は約7000年前くらいにできたものと考えられています。これらのことから古くは犬吠埼一帯は島であり、のちに南北からの隆起と堆積により地続きになったと考えられています。

老後の達人
老後の達人

銚子ジオパークにはジオツアーのモデルコースがいくつかあります。車があれば下総台地の成り立ちを知るドライブツアーが1日で楽しめます。車がない場合はレンタサイクルで、エリアを絞って回ってみるのがいいでしょう。

犬吠埼1泊一人旅プラン

犬吠埼に1泊する一人旅プランを考えてみました。

<1日目>

  1. 東京駅10:11発の特急しおさい3号に乗車、11:57に銚子駅着、12:17銚子駅発の銚子電鉄で12:40に犬吠駅着
    (または東京駅9:50発の京成バスに乗車、12:12に犬吠埼着)
  2. 犬吠駅周辺で昼食後、犬吠埼灯台へ夕方日の入りまで灯台を見学
  3. 日の入り後、犬吠埼温泉郷のホテルにチェックイン
  4. 温泉につかり、ゆっくり夕食を食べた後、夜の灯台を眺めに行きます

<2日目>

  1. 夜明け前に早起きして灯台に向かい、日の出を待って灯台の消灯を眺めます
  2. ホテルに戻ってゆっくり朝食、チェックアウト
  3. ホテルでレンタサイクルを借りて、ジオツアーに出発
  4. 自転車で約15分走って、犬岩(いぬいわ)と千騎ヶ岩(せんがいわ)を見学
  5. 再び自転車に乗って約20分で屏風ヶ浦に到着、奇観を眺めたら屏風ヶ浦から銚子駅まで約15分
  6. 銚子駅で自転車を返したら、駅の周辺で昼食を食べ、土産物などを見て、銚子駅16:38発の特急しおさい12号に乗車、18:29に東京駅着
    または銚子駅15:50発の京成バスに乗車、18:56に東京駅着・・・バスはしおさいに比べて本数が格段に多いので時間は融通が利きます)

まとめ

日本を代表する灯台の犬吠埼灯台に行く旅のプランを作ってみました。日帰りではもったいないので犬吠埼温泉に1泊するのがお勧めです。東京からなら総武本線の特急しおさいと銚子電鉄の組み合わせか、同じく東京駅から犬吠埼まで高速バスが運行しています。

犬吠埼に着いたら、昼間の灯台の景観の美しさと夜の光を放って活躍する姿を堪能しましょう。翌日は銚子ジオツアーに出かけてみてはいかがでしょうか。車がなくてもレンタサイクルで移動すればスムーズに銚子半島の成り立ちがわかる古い岩石や地層を見てまわることが出来ます。

こんなふうに一人旅の計画を立てみたら、実際に旅に出かけてみたくなりました。海に行くなら今の季節のような寒い時期ではなく、春から夏にかけての季節がよさそうです。冬が終わり、コロナ感染が下火になったら出かけてみたいと思います。あなたも如何ですか?