紙の本がなくなる?
古来より本や辞書と言えば紙を製本してできた書物でした。
ところが、1980年代から電子辞書が普及しはじめ、大きな辞書を持ち歩かなくても語学の学習ができるようになり、従来の本の辞書から電子辞書に置き換わっていきました。今では辞書と言えば、電子辞書を指すほどです。
電子辞書に続いて、1990年代の後半くらいになると、電子書籍なるものが人々の話題に上るようになり、2007年にAmazonがkindleという電子書籍専用の端末とソフトを販売するようになりました。
米国で火がついた電子書籍ブームは日本にも飛び火して、電子書籍の流れが一気に加速しました。今では、スマホやタブレットで電子書籍を読む人も増え、電子書籍を販売するストアも増え続けています。最近はデジタルコミック(漫画の配信サービス)の空前のブームが訪れています。テレビで盛んに宣伝しているので記憶にある方も多いと思います。
さらに最近では、オーディオブックという「聴く読書」のスタイルも広がりを見せています。
通勤電車の中や、家事などの作業をしながら読書ができる、ながら読書に適した気軽で便利なスタイルです。また聴く読書は、視力が低下し始めるシニアに向いているとも言われています。
このように本はデジタル化、ペーパーレス化の方向にどんどん進んでいます。
音楽がテープからCDやMDなどの記録媒体を経て、ダウンロードが一般的になったように、いずれは電子書籍やオーディオブックが従来の紙の本にとって代わるのでしょう。
キンドルも発売から約15年を経過し、本体がかなり進化しています。紙のように読みやすいE Ink(イーインク)ディスプレイは読書に最適だし、反射しないディスプレイだったり、バッテリー駆動時間の長期化、本体のデザイン、操作性など、様々な面で良くなっています。
また、近年は広告あり・なしという本体があって、広告が表示される分だけ数千円安くなっていたりするものもあります。広告なしで安くなった分メモリーを増やすということもできます。
>>Amazon kindle(キンドル)
電子書籍のメリット、デメリット
電子書籍はコンパクトで便利、しかも紙の本より購入価格が安いと、いいことだらけのような気がします。
しかし、私は未だに紙の本を読むことが好きです。それはなぜなのでしょうか。電子書籍のメリット、デメリットを考えてみます。
電子書籍のメリット
紙の本で一番困るのは読み終わった本の処分です。本の収集家ならいざ知らず、普通の人は、読み終わった本は家に置いておかずに処分する人が多いと思います。買取店に売ったり、寄付したりと方法は色々ありますが、処分するにはなんらかの作業が必要になります。
この点、電子書籍は置き場所を探したり、処分したりする必要がありません。専用の電子書籍リーダーを使う場合でも、必要なのは機器の置き場所くらいです。すでに手元にあるスマホやタブレットで読む場合は、あらためて場所を探す必要もないでしょう。置き場所や処分の手間が要らないのはありがたいですね。
今はコロナの影響もあって、旅行を控えている方も多いと思いますが、海外などの少し長い旅行に出る時など、本を何冊か持って行きたくなりますよね。すでに必要なもので一杯になったスーツケースに、さらに本を詰め込むのは労力が要りますし、重たくなってしまいます。その点、電子書籍であれば、持っているスマホで読めますから、本を持ち歩く必要がありません。機動性がいいのも長所です。
また、歳を取ると、視力が衰えて、細かな字を読むのが苦痛になります。電子書籍はフォントを自在に大きくできるので、自分が読みやすい字の大きさに設定して読むことができます。シニアにとってはありがたい機能です。
電子書籍のデメリット
電子書籍に限らず、電子機器全般に言えることですが、ブルーライトを長時間目に浴びることの影響が良くないと言われています。スマホを使う場合などは画面が小さいのでフォントを大きくしても目が疲れます。読書は時間を忘れて没頭するのが醍醐味ですので、ブルーライトの影響は気になるところです。
そして、これをデメリットというのかわかりません、むしろ、好みの問題とも言えますが、読書には本の重みを感じながら、紙のページをめくる楽しさがあります。いくら電子書籍リーダーが、実際のページをめくる感覚を大切にしていると言っても、やはり本物の本には敵いません。
また個人的な印象かもしれませんが、読み終わった後の印象や記憶の残り方などが、電子書籍と現物の本では違うような気がします。でも、これらはただ慣れの問題かもしれないので、電子機器に慣れている若い人や、電子書籍を読み始めて慣れた人は違和感を感じないかもしれません。
電子書籍は電子書籍リーダーで読むのがおすすめ
電子書籍を紙の本に代わる本として読もうと思うなら、スマホやタブレットで読むのではなく、電子書籍リーダーを使う方がいいと思います。
電子書籍リーダーの多くは、電子書籍の最大のデメリットと思われる、ブルーライトを発しない画面作りをしていますし、紙質やページをめくる感覚も紙の本に近づけられるように工夫が凝らされています。
リーダーを買うと、購入費用も掛かりますし、置き場所も必要になりますが、一般に電子書籍は紙の本より安く購入できますので、初期投資をしてもすぐに回収できると思います。
リーダは様々な機種が出ていますが、安いものでしたら1万円程度、高級機種で5万円くらいです。ただし、機種によっては読もうと思う電子書籍のストアに対応していないものもありますので、価格だけではなく、スペックの確認も必要です。多少の手間やお金は掛かりますが、電子書籍で本格的に読書をするなら、電子書籍リーダーを使うのが良いと思います。
Amazon Kindle Paperwhite
新しくなったKindle Paperwhite・・・これまでのモデルと比べると、20%早いページ送りと6.8インチの大きくなったディスプレイが特徴です(^^♪
フラットで300ppiの高解像度ディスプレイ、小さな文字もくっきりキレイ、大きくて紙のような読み心地のディスプレイは、反射をおさえていて目にも優しいよ!!
USB-Cケーブルを使った一度のフル充電で、最大で10週間利用可能というタフさと、防水機能搭載でお風呂でもプールでも読書ができるのも魅力ですね。
Kobo Clara HD
6インチディスプレイの小型電子書籍リーダーが進化した楽天koboのKobo Clara HDは、300ppiで振り仮名のような小さな文字までくっきり、紙と同じような質感で読めるハイクオリティが魅力です!!
1回の充電で数週間の利用ができ、軽量、コンパクト、でも読みやすいのが特徴です(^^♪
kindle端末もKobo端末も、様々な世代の端末ラインナップがあり、同じkindleでも広告のありなしで金額が違ったりしています。購入する際には、端末の主なスペックだけでなく、広告の有無、メモリ容量、カバーなどのオプションの有無など、細かな点を比較してから購入しましょう。安いからと値段だけで購入すると思わぬ落とし穴にはまることになります。
機種 | Kindle Paperwhite | Kobo Clara HD |
値段 | 19,980円 | 15,800円 |
画面サイズ | 6.8インチ | 6.0インチ |
内臓メモリ | 32GB | 8GB |
サイズ | 174.0×125.0×8.1mm | 157.0×111.0×8.3mm |
重さ | 205g | 166g |
バッテリー |
明るさ設定13、ワイヤレス接続オフで1日30分使用した場合で最大10週間利用可能 | ライト及びwifiオフ、1日30分使用した場合で数週間利用可能 |
品揃え |
●600万冊以上 ●無料作品5万冊以上 |
●400万冊以上 ●無料作品14万冊以上 |
Amazon Kindle Paperwhiteの場合は、広告あり機種を選択すると16,980円と安くなります。広告の表示が気にならない人は、若干安くなるため、楽天koboと同程度の金額になります(^O^)
オーディオブックとは
オーディオブックは「聴く読書」とも呼ばれ、新しい読書スタイルとして注目を集めています。読書は紙の本であれ、電子書籍であれ、読書のための時間が必要です。
しかし、聴く読書は、プロの俳優や声優が朗読した音声を聴くので、通勤で混雑する電車の中でも、掃除中にクリーナーを動かしながらでも読書ができます。
米国は車社会なので、車の中で聴く音楽と並んで、早くから聴く読書が親しまれてきました。音楽と同様にCDに録音された内容を聴くのが主流でした。日本では音楽の方は普及しましたが、聴く読書の方はこれまであまり普及していませんでした。しかし、電子書籍と同様に、ネットからダウンロードが可能な環境が整うにつれ、新しい読書形態としてのオーディオブックが知られるようになりました。
こうした「ながら読書」だと頭に入らないのではないかとか、読み返しができないのではないかと言った声も聞かれますが、意外と集中して聴くことができるものです。私は本格的なオーディオブックはまだ始めていませんが、「青空朗読」というアプリで昔の文学作品をいくつか聴いたことがあります。夕食の後の片づけて食器を洗いながら聴くのですが、臨場感に溢れていて、思わず引き込まれそうになります。
視覚から得るイメージと、聴覚から得るイメージは少し違いがあるようで、私の場合は視覚から得る普通の読書でイメージする像はかなり抽象的です。聴覚から入ってくる情報によるイメージはもっと具体的になり、そのため臨場感が増すのではないかと思います。
オーディオブック配信サービス
CD版のオーディオブックと少し異なるのが、オーディオブックの配信サービス『audiobook.jp』です。書籍をプロの声優・ナレーターが読み上げた「耳で聴く本」、さらに講演会を音声化したもの、語学、資格関連のCD、ラジオ音源、人気声優が朗読する作品など、様々な内容の作品が配信されています。
・読みたい本はたくさんあるけど読む時間がない
・毎日の通勤時間を有効に使いたい
・目が疲れてしまうので耳から情報を取り入れたい
自分のライフスタイルに合わせて活用できる新しい読書の形として、特にシニアの読書スタイルとして、オーディオブックは注目され利用者も増えてきています。audiobook.jpの会員数は30万人、作品数は23,000作品となっているのがその証です。
使い方はとても簡単で、スマホでアプリをダウロードして、会員登録し、気になるオーディオブックを購入すればすぐに聞く(読む)ことができます。また、月額定額の880円で聞き放題のプランも用意されています。目が疲れて本が読めないシニアでもオーディオブックなら880円で好きな本を聞き放題できちゃいます(^^♪
今だけ30日間無料のサービスをやっているので、どんなものか1ヶ月間試してみてはいかがでしょうか!!
>>日本最大級!オーディオブックなら – audiobook.jp
まとめ
本と言えば紙を製本して作られたもの、という概念はもはや昔のものになりつつあるようです。デジタル化の進展に伴い、音楽だけではなく、書籍もダウンロードして読める時代になりました。また、通常の読む読書ではなく、オーディオブックという、聴く読書も可能になりました。
電子書籍も、オーディオブックもそれぞれに特徴があります。共通しているのはいつでもどこでも気軽に読書ができることです。そんな今どきの読書を楽しんでみませんか?
オーディオブックは新しい本の朗読が聴けますので、昔の文学作品とは違った臨場感が楽しめるのではないかと思います。ただ、今のところ、1冊の本を朗読してオーディオブックにしようとすると、かなりの時間がかかるため、本の種類は紙の本に比べるとまださほど多くはなく、聴きたい作品がすぐに読めないこともあるようです。
今のところは、紙の本や電子書籍を中心にして、たまに何かをしながらオーディオブックを楽しむような使い分けがよいのではないかと思います。