日本語教室の先生はシニアに人気のボランティア活動

日本語教室の先生はシニアに人気のボランティア活動シニアの資格

日本語ボランティアとは

日本社会の少子高齢化に伴い、不足する労働力を補うことを目的に外国人の人材を活用しようという動きが年々広がっています。また観光でも、いわゆるインバウンド需要を喚起して外国人観光客を日本に呼び込む動きが盛んになっています。コロナウィルスの感染が終息していない状況では、海外からの入国に制限があり、一時的にこの流れは停滞していますが、いずれまた多くの外国人が日本に来るようになるでしょう。

日本で暮らす外国人にとって一番の問題は、日本語ができないと生活できないことです。仕事であれば外資系の企業などで英語を使って働くこともできますが、日常の生活は日本語ができないと不便なこと極まりありません。一日でも早く日本語ができるようになること、これが日本に暮らす外国人たちの一番の希望なのです。

そんな切実な願いを持っている外国人に日本語を教えるのが日本語ボランティアです。くの自治体やNPO法人が外国人向けに日本語教室を開いています。日本語教室では週に一度、2時間程度で外国人に日本語を教えたり、日本語の日常会話をしたりします。また、外国人にはわかりにくい生活の身近な情報を教えてあげたり、困りごとなどの相談に乗ってあげたりします。

日本語教室では常時日本語を外国人に教えるボランティアを募集しています。ボランティアには誰でも応募することが出来ます。特に資格は必要ありません。ただし、ボランティアですから報酬はありません。

老後の達人
老後の達人

定年退職後の社会貢献活動として日本語ボランティアになる人も増えています。シニア世代は人生経験が豊富ですから、外国人の様々な疑問や質問に答えられ、暮らしの上での知恵や悩み毎の相談にのってあげる人も多くいます。日本語ボランティアはシニアに向いたボランティア活動の一つと言えます。

日本語学校と日本語教室の違い

日本語教室は、日本語学校と何が違うのでしょうか?

日本語学校は学校法人として認可を受けた団体のことを言います。日本語学校には日本語教師としての公的な資格を持った教師が、学校のカリキュラムに従って日本語教育を行います。学校に通う学生は授業料を支払い、教師は給料をもらって授業を行います。

日本語教師になるためには主に2つの方法があります。一つは大学卒業の学位を持つ人が、文化庁が公認する420時間の「日本語教師養成講座」を受講することです。もう一つは年に一度行われる「日本語教育能力試験」に合格することです。どちらも学習には相当の時間を要し、1~2年程度の時間をかけて教師になる人が多いようです。日本語教師になるのは簡単なことではありません。

日本語教師は職業ですが、日本語教室の日本語ボランティアは職業ではありません。資格が不要な代わりに報酬を得ることはありません。その代わり、授業のカリキュラムや学校の方針にしばられることなく、学習する人と話し合って、自由に勉強したいことを決められます。

留学生などの比較的年齢の若い外国人は日本語学校で日本語を勉強している人もたくさんいます。学校の授業だけではなく、自由に会話がしたい、学校の勉強の補修がしたいという目的で日本語教室に通う人もいます。また、すでに日本で働いている人は、仕事の幅を広げるために、もっと日本語がうまくなりたいという人もいれば、仕事に就くために日本語がうまくなりたいという人もいます。

日本語学校が日本語を習得する上で、基礎になる学習だとすると、日本語教室はその周辺の補足的な位置づけであったり、より生活に密着した日本語に触れる機会を提供する場であったりするものなのです。

外国人に日本語を教えることとは

日本人であれば日本語が使えるのは当たり前だから、日本語を教えるなんて簡単だと思いがちですが、一概に、使えるから教えられるとは限りません。例えば日本語の文法について、日本語を母語(母国語ともいいます。)としている日本人は、普段日本語を話す時に文法を意識して話したりはしません。でも外国語の場合は、発音や文法や語彙を意識します。英語を話そうと思ったら、一人称、単数形、現在形、過去形などの決まり事を意識して文章を組み立てます。

同様に外国人には大人であればそれぞれの母語がすでに備わっています。日本語は外国語として学びます。ですから日本語を学ぶ時も、常に発音や文法や語彙を意識して勉強しますし、外国人には習得するのに大変な労力を必要とする、ひらがな、カタカナ、漢字などの複雑な表記もあります。

日本人が外国人に日本語を教えるには、教える側の日本人が、外国語としての日本語とはどんなものかを知る必要があります。日本語教師になるほどの知識は必要ありませんが、先輩ボランティアに聞くなどして、教えた方のコツは学んだ方が良さそうです。

日本語教室とはどんなところなのか

日本語教室とはどのようなものでしょう。
例えば、私が住んでいる自治体には現在12か所の日本語教室があります。教室は市の中に点在しており、主に公民館や市役所の会議室などを利用して、日曜日を除く毎日どこかの教室で2時間程度学習をしています。

自治体のホームページやチラシなどで地域住民に日本語教室の情報お知らせしており、自治体やその近隣地域に住む外国人の学習者が自分の都合に良い場所や時間を選んで教室に来ています。子供向けや子育て中のお母さん向けの教室もあります。ボランティアのスタッフも自宅に近い場所や時間的に参加できる教室を選んで参加しています。

日本語教室ごとに責任者(代表者)がいて、その人を中心に教室が運営されています。

スタッフは全員がボランティアで、学習の基本はマンツーマンです。学習者1名に対し、スタッフ1名ができるだけ固定で学習します。学習者は出身国も日本語のレベルもまちまちなので、グループレッスンは向かないことが多いためです。2人でペアになって学習します。

土曜日は働いている人も参加できるので、新しく教室に来る人も多く、学校が休みのため学生さんやお子さん連れの方も参加しています。たくさんのシニアのスタッフも外国人の日本語学習のお手伝いをしています。

日本語の学習風景

日本語の学習はどのように進めるのでしょうか?
学習者が初めて教室に来たら、代表者が面談して、名前や出身国、日本に来た時期などを聞いて、日本語のレベルを判断します。そしてその学習者を担当するスタッフを決めます。ペアが決まれば、スタッフは学習者がこの教室で何を学びたいのかをさらに詳しく聞きます。

例えば日本に来たばかりでまだ日本語がほとんど話せない、聞き取れないという場合には日本語の入門的なテキストを使って挨拶などの簡単な日常会話などから学んでいきます。スタッフが外国語に堪能で、英語や中国語などができる場合、英語圏や中国語圏の学習者には外国語と日本語を併用しながら学習を進めることもあります。

日常会話ができる学習の場合は、場数を踏むために雑談をしたり、中級程度のテキストを使ったりして、より深く日本語を理解できるようにします。上級者であれば新聞の記事を読んで内容について意見交換を行うなど、より高度な学習を提供します。

学習者が初級者なのか、中級または上級者なのかは、実際に会話をしてみればある程度の見当はつきます。見当がつくようになるためにはスタッフもある程度場数を踏んで、色々な学習者と日本語を学んでみる必要があります。

日本語ボランティアの楽しさ

まったく見ず知らずの外国人と接することに戸惑いを感じる人も多いと思います。何を話せばいいのか、どうやって会話をしたらいいのか、不安に思うことがたくさんあります。でもあまり外国人であることを意識する必要はありません。人間同士、お互いを少しずつ知り合うところから始めましょう。挨拶や自己紹介は重要です。

お互いに緊張感がほぐれたら、お互いの国のことを教えあいましょう。日本語教室では「教える」という言葉は極力使いません。どちらかが一方的に教えるのではなく、お互いが「学ぶ」のです。あるときは自分が教え、またあるときは相手に教えてもらう。このことでコミュニケーションが楽しくなり、会話の幅が広がっていきます。

もちろん、外国人に日本語を理解してもらうには、外国語としての日本語に対する知識が必要です。何冊かの日本語を教えるために必要なテキストや本を読む必要はあるでしょう。でも、大切なのはどうやったら楽しく会話ができるかをお互いが工夫することです。

私が初めて担当した学習者さんはネパール人でした。私はネパールと言えばヒマラヤ山脈くらいしか知らず、ネパール語はわかりません。それでも片言の英語と日本語を交えて学習を重ねているうちに、徐々に日本語で会話ができるようになり、彼女は日本で暮らす自信が出てきたと言っていました。

私の方もネパールについて興味や関心がわいて、新たな好奇心を持つことができました。今はたくさんの国の人たちと色々なことを教えあって知識や興味の幅を広げています。

近くの日本語教室を探してみよう

この記事を読んで日本語ボランティアに興味がわいたら、自分が住んでいる自治体の公式サイトで日本語ボランティアの募集がないか探してみましょう。自治体によっては日本語ボランティア育成講座のような、ボランティアになる上で必要な知識や心構えを教えてくれる講座を定期的に開講している自治体もあります。私もそのような講座を受けてボランティアになった一人です。

そして一度実際に教室に足を運んでみましょう。見学は随時受付しています。その場でボランティアになることを決めて通い始める人もたくさんいます。まずは覗いてみて教室雰囲気を味わってみましょう。

日本語を懸命に習得しようとする外国人の姿や、親切丁寧に質問に答えようとするスタッフの姿を見れば、きっと参加してみたいという気持ちになると思います。ぜひあなたの熱意で外国人が日本でよりよく暮らす手助けをしてあげてください。

まとめ

日本に来る外国人は年々増加しています。日本に暮らす外国人が一番苦労することは日本語の習得です。日本語教室は日本に暮らす外国人に日本語を学習する場を提供しています。そこでは多くの日本語ボランティアが学習者と手を携えて一緒に日本語を勉強しています。

自治体で運営する日本語学校では随時日本語ボランティアを募集しています。日本語ボランティアは、外国のことや言葉に興味があり、人と接することが好きな人なら誰でもなることができます。ホームページを見ればどこに教室があるかわかりますので、一度

見学に行ってみてください。きっとすてきな出会いがあなたを待っているはずです。