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老後の平均収入|足りない分はどうすべきか

老後の平均収入|足りない分はどうすべきか

老後の主な収入源|平均収入はどれくらい?

老後の主な収入源は年金というのが、日本の一般的なあり方です。
年金制度は3階建て構造と言われますが、1階は国民年金、2階は厚生年金又は共済年金で、いずれも国が管理、運営する公的年金です。
そして、3階部分は公的年金に上乗せするために企業や個人が任意で加入する私的年金となります。
一般的に20歳から60歳まで40年間会社員として働いていた夫と妻の場合は、公的年金(老齢基礎年金と厚生年金)の額を合計すると受給額は月に22万~23万円というのが平均的な金額になります。
現役時代の平均年収から年金の受給額を計算してみると次のような金額になります。

現役時代の平均年収公的年金の年間受給額月間受給額
300万円約140万円11.7万円
400万円約160万円13.4万円
500万円約183万円15.2万円
600万円約203万円16.9万円

【加入期間:厚生年金38年、国民年金40年の場合】

公的年金制度とは

日本では、国民皆年金制度というものがあり、だれもが年金保険に加入して、保険料を納付しなければならないことになっています。
支払う年金の納付金は、将来の自分のためではなく、下の世代から高齢者を支えていくための制度です。
高齢化社会、少子化などの問題もあり、将来の年金について不安視する人もいますが、今すぐどうこうということは考えられないので、まずは現在の制度下でもらえる年金について確認しておきましょう。

老齢基礎年金

老齢基礎年金は年金制度の土台とも言われるもので、その名の通り一番の基礎となる年金です。
これまでは20歳から60歳までで、少なくとも25年以上保険料を納めていることが求められていましたが、2017年8月に制度改正が行われ、必要期間が10年以上と変更されました。
基礎年金は、65歳の誕生日を迎えた時点から支給され、誕生日の約3か月前に届く請求書を作成して送付するだけで受給できるようになります。
老齢基礎年金の受給額は、年間に780,100円(令和2年度)です。
(納付期間、金額などによっては減額されるケースもあります。)

厚生年金・共済年金

厚生年金・共済年金は、企業や役所に勤めている人が加入するものです。
勤め始めれば自動的に勤務先で加入手続き、保険料の納付が行われるため、個人が関与する手続等はありません。
支給される金額については、勤め先の納付期間や納付額によって異なるものですが、老齢基礎年金に加えて支給されるため、老後の主な収入源の一つと言えます。

老後は年金だけで足りるのか

老後の主な収入について分ったら、その収入だけで老後の生活は賄えるのかが心配になると思います。
老後の生活に関しては、現役時代の収入や生活スタイル、貯蓄額や持ち家の有無、子供や両親の存在など、様々な要因が影響してくるため一概に足りる、足りないとは言いきれません。

年金で生活している人たちの収支は

年金だけで生活している人たち、高齢者無職世帯の年金収入と可処分所得、消費支出の平均値を調べてみました。

高齢夫婦2人世帯の場合

総務省の2018年家計調査報告によると、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦の無職世帯の1ヶ月の実収入は222,834円、可処分所得は193,743円で、消費支出は235,615円となっていて、実質41,872円の赤字となっています。

高齢単身無職世帯の場合

同調査によると、60歳以上の単身無職世帯の実収入は123,325円、可処分所得は110,933円、消費支出は149,603円となっていて、実質38,670円の赤字となっています。

年金生活者の収支まとめ

高齢者で年金のみで生活している人たちの収支の平均見てみると1ヶ月で4万円前後の赤字となっていることが分る。
一般的にゆとりのある生活を老後に送ろうとするなら、月額約32万円の収入が必要と言われており、先の平均的な老後の収入と比べると、約10万円が不足する(赤字となる)計算になります。

老後の達人
老後の達人

結局、赤字となった分は現役時代の貯蓄から取り崩すか、仕事や副業などによって不足する分を補う必要があります。

老後に収入アップを図る方法

老後に収入を少しでも増やしたいと考えているなら、年金を少しでも多く受け取るもしくは収入を少しでも増やす工夫をすると良いでしょう。

任意加入制度を活用し年金を満額受給する

老齢基礎年金の支給額は年金保険料の納付期間により決まり、40年間納付した場合の満額も決まっています。
そこで、年金が満額に満たない人のための救済措置として、任意加入制度が設けられています。
60歳から5年間保険料を納めて年金額を満額に近づけるのです。

確定拠出年金を活用する方法

確定拠出年金は、公的年金に上乗せする形で老後の収入源を作ることができる私的年金制度です。
これには個人型と企業型の2つのタイプがあり、個人の場合は金融機関に申し込んで加入し、企業型なら勤務先を通じて加入することになります。
確定拠出年金のメリットとしては、掛け金が所得控除の対象になること、運用利益について税金がかからないこと、受給する際に所得控除されるなどのメリットがあります。
ただし、預貯金や投資信託で運用していくことから、資産の目減りというリスクがあり、60歳までは払い出しできないというデメリットがあります。

自営業のための公的制度を活用する方法

自営業者やフリーランスで働いている人たちも活用できる公的年金制度で、老後の収入アップが行えます。

国民年金の付加年金

国民年金の保険料に月々400円の保険料を追加納付することで、将来的に受給する年金額を増やすことができる制度で、2年間で元が取れるかなりお得な制度なのでおすすめです。
加入については、市・区役所、町村役場の窓口で行えます。

国民年金基金

国民年金基金は、第一号被保険者なら誰でも任意で加入できる年金制度です。
掛け金が所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されるメリットがありますが、一旦加入すると原則として任意で脱退ができない点は要注意です。
加入については、国民年金基金に資料請求し、加入申出書を提出して行います。
>>国民年金基金|加入手続きの流れ

小規模企業共済

小規模企業共済は、自営業者や経営者、役員のための退職金制度で、廃業や退職時の生活資金のために積み立てるものです。
月額の掛け金は、1000円から7万円までの範囲で、500円単位で自由に選択できます。
全額所得控除の対象となり、所得税や住民税も軽減できるメリットがあります。

老後に働いて副収入を得る方法

少子化、高齢化社会が進む中、労働力不足を補うための方策として、シニア世代の労働力に期待する声があります。
働く方法の一つに、定年後も継続雇用(再雇用)制度を利用して、同じ職場・会社で働くという選択肢もありますが、立場も変わるため継続雇用を望まない人もいるようです。
また、老後になってもこれまでの経験を生かして働き、老後の副収入を得て、社会とのつながりも持てるため、第二の仕事に就くのも良い選択肢の一つだと思います。

シニア世代の就労サービスの活用

第二の仕事を探すためには、シニア世代の就労サービスはいろいろとあります。

シニア向けの転職サイトの利用

シニア層向けの仕事・求人情報を紹介してくれる転職サイトを活用すれば、様々な条件であなたに合う仕事を検索し、見つけることができます。
転職サイトでの仕事探しは、自宅のパソコンやスマホで手軽に仕事探しができるので、自分がしたい仕事や自分が就きたい職を思ったより簡単に探すことができます。
シニア人材の求人に特化したサイトもあれば、一般的な求人サイトで60代の仕事として検索しても求人情報は見つかります。

ハローワーク

仕事探しの公的機関としてハローワークがありますが、最近のハローワークではシニア層の再就職支援が積極的に行われていて、ハローワーク内にシニア向けの生涯現役支援窓口が設置されているほどです。
ハローワークでの仕事探しは、直接近隣のハローワーク窓口に出向いて直接相談するのが一番確実です。
出向くのが困難という人は、ハローワークインターネットサービスを利用してみるのも良いでしょう。

シルバー人材センター

シルバー人材センターは、高齢者が働くことを通じて生きがいを得たり、地域社会の活性化に貢献したりすることを支援してくれる公益社団法人です。
シルバー人材センターでは、臨時的かつ短期的で、軽易な業務を中心に仕事の紹介をしてくれますが、あくまでも「生きがいを得るための就業」が主目的であることから、一定の収入が保証されるものではないので注意して下さい。
シルバー人材センターでの就労を考えている人は、近隣のシルバー人材センターに確認してみましょう。

やりたいことをするために起業する

現役時代とは異なる、自分がこれまでやりたかったこと、挑戦してみたかったこと、夢として描いていたことなど・・・自分がやりたいことにチャレンジしてみるのも良いでしょう。
最近は自宅に居ながら仕事ができるクラウドソーシングという形態の在宅ワークがあります。
クラウドソーシングは、インターネットを介して、仕事を依頼する人と仕事を受注する人がお互いにウィンウィンの関係を持ちながら事業を進めていくというビジネスモデルです。
この方式なら、リスクなくあなたのやりたい仕事だけを受注して、副収入を得ることができるので、主婦やサラリーマンの副業としても人気ですが、シルバー層でも問題なく始められるため検討対象に加えてみると良いでしょう。