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永代供養と墓じまいの違いと特徴

永代供養と墓じまいの違いと特徴

墓じまいをする人の多くが永代供養を考えると聞きます。それはなぜなのでしょうか。墓じまい、永代供養とはどんなもので、どのようにかかわっているのでしょうか。
それぞれの違いと特徴を詳しく見ていきましょう。

50歳を過ぎてから気になりだすお墓のこと

50歳を過ぎると自分の親も80代になってくるというのが一般的な家族の関係です。つまり、自分が50代になると親も80代になり、親の衰えを実感する機会も増え、年老いた親を見るようになって、親の終活のこと、特にお墓のことが気になってくるのです。

そして、親を埋葬するお墓に、ゆくゆくは自分も入ることを考えるようになり、そのお墓の面倒は誰がどのようにみてくれるのかが気になるのです。自分に子供や兄弟がいるなら、家族でどうするか考えることもできますが、子供に迷惑を掛けたくないと思う気持ちもあるでしょう。
また、独り身で自分の墓の面倒を見る人がいないとなると、その時に不安になるのです。

死んだ後のことなので、後は野となれ山となれと考える人もいるかもしれませんが、死んだ後に人に迷惑を掛けたくないと思う人もいるでしょう。自分自身の死後の世界を想像しながら、自分のお墓について考えてみるべきなのが50代ということになるでしょう。

墓じまいとは

まず、墓じまいとはどんなものなのか見てみます。
墓じまいとは、先祖代々のお墓を解体・撤去し処分することです。お墓によっては何百年もその土地に立ち続けているものもあります。昔から脈々と続いてきたお墓を解体・撤去し処分するのは、大抵の場合一生のうちに一度しかない出来事なので、周到な準備が必要です。

墓じまいをするには、今あるお墓の墓石を解体して撤去し、敷地を更地にして、寺院や墓地の管理者に返還した上で、遺骨を改葬して供養します。
改葬とは、遺骨を今あるお墓から取り出して別の場所に埋葬することを言いますが、改葬には色々な方法があります。
ざっくりした墓じまいの費用が知りたいなら、簡単見積もりできる代行業者もいるので、気軽に相談してみましょう。

老後の達人
老後の達人

例えば故郷から遠いところに住んでいる人は、今住んでいる場所の近くにお墓を移設するということもあるでしょう。墓石がある従来のお墓ではなく納骨堂に納めたり、手元で供養する方法もあります。自然の好きな人であれば海洋散骨や、樹木葬といった方法もあり、近年多様化しています。この改葬方法の一つとして、注目されているのが永代供養です。なぜ今、永代供養が注目を集めているのでしょうか。

永代供養とは

永代供養とはお墓参りに行けない、お墓を管理する人がいないなどの人に代わって、寺院や霊園が管理や供養をしてくれる埋葬方法を言います。

永代供養の成り立ち

永代供養の起源は江戸時代ごろで、お寺が檀家の供養を行っていたことがその原型ではないかと言われています。現在使われている意味での永代供養が始まったのは割と近年のことで、今から30年ほど前の1985年ころに、比叡山延暦寺に作られた「久遠墓」と呼ばれるお墓が最初の永代供養墓とされています。

1999年に「墓地、埋葬等に関する法律」が一部改正され、無縁墓の改葬が格段に簡略化されました。これに伴い、世の中に永代供養墓の概念が広まり、公営の霊園においても「合葬式墓所」という形で永代供養墓と同様のものが作られるようになっていきました。

2000年以降、様々な形態の永代供養墓が作られるようになります。地下、または半地下に納骨室を備え、その上に像、塔、碑などを配置したものや、寺院では仏像や仏塔など宗教色の濃いお墓もあります。

老後の達人
老後の達人

民間の霊園のものは、宗教色を抑えたモニュメントにしていることが多いようです。永代供養墓の形態は近年ますます多様化しています。

永代供養の定義

現代における永代供養の定義とは一体どのようなものでしょうか。永代供養には以下のような特徴があります。

  1. 継承者(後を継ぐ人)の有無に関係なく申し込みができる
  2. 生前に申し込みができる
  3. 永続的に管理と供養ができる

一般のお墓であれば、代々そのお墓を引き継ぐ人がいてお墓の管理、すなわち墓守が続いていきます。ところが子供がいない、または他家に嫁いでしまったというような場合はお墓を守り続けることができません。

老後の達人
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永代供養であれば、自分の後にお墓を守る人がいなくても生前に申し込みができ、同時に費用を支払ってしまえば、その後は寺院や霊園が永続的に供養をしてくれます。自分が生きている内に「いつ死んでも安心」な状態に、自分自身の手で準備をすることができるのです。

永代供養のお墓の形態

永代供養のお墓には様々な形態がありますが、大きく「屋内型」と「屋外型」に分かれます。屋内型は一般には「納骨堂」と呼ばれるもので、仏壇式や位牌式、ロッカータイプのもの、稼働収納タイプのものなど様々なタイプがあります。また墓石を設置できる納骨堂であれば、屋内で一般のお墓と同じ機能を持つことも可能です。もちろんお墓の掃除は不要で、しかも屋内にあるのでお墓参りも天気に関係なく楽にできます。

屋外型には、単独墓と言って、通常のお墓と同様に故人ごとに墓石を建てて一定の期間は個別に供養し、一定期間が過ぎたら合祀されるお墓があります。また集合墓は、石碑や塔の下にまとめて骨壺を納めるお墓で、こちらも一定期間が過ぎたら合祀墓に移されます。合祀墓は大きなモニュメントの下に遺骨をまとめて埋葬します。費用はリーズナブルですが一度合祀墓に入ってしまうと遺骨を取り出すことはできません。

永代供養のメリット・デメリット

永代供養には永続的に管理ができるという特徴がありますが、とはいえ、未来永劫に供養をしてもらえる訳ではありません。次のようなメリット・デメリットがあります。

永代供養のメリット

永代供養は個人に代わって寺院や霊園がお墓の管理をしてくれるため、自分自身で墓守をしなくてすみます。また、屋内型の場合であれば交通の便の良いところにあることが多く、お参りがしやすいとか、天候に左右されずにお参りをすることが可能です。

新しいお墓を建てることを検討している場合、永代供養墓であれば、一般に墓石を立てる従来のお墓に比べて費用が安く抑えられるというメリットもあります。また従来のお墓の場合、宗派を問われることもありますが、永代供養墓は宗派を問わないケースが殆んどです。

永代供養のデメリット

「永代」と言っても実際には期限付きのケースが殆んどです。例えば17回忌や33回忌といった節目の時期に遺骨が合祀墓に移されると、以降は個別でのお参りはできなくなります。始めから合祀墓に入れば、他の方の遺骨と一緒に供養されることになります。また合祀墓に入ってしまうと遺骨を取り出すことができなくなります。

まとめ

墓じまいは今あるお墓を解体・撤去して更地にして寺院や霊園に返却することを言います。取り出した遺骨は別の場所に改葬します。改葬の方法は多様化しており、単にお墓を別の場所に移すだけではなく、屋内の納骨堂に納めたり、海洋散骨や樹木葬、手元供養など多岐にわたっています。

自分の代で血縁が途絶え、お墓を管理する人がいないという人にとって、選択肢の一つになるのが永代供養です。永代供養は寺院や霊園が個人に代わって管理をしてくれる供養の方法です。

永代供養のメリットは個人が墓守をしなくてすむことに加え、交通の便の良い場所にあることが多いことや、天候に左右されずにお参りできること、従来のお墓に比べて費用が安く抑えられることや、宗派を問わずに入れることなどがあります。

デメリットとしては「永代」と言いつつも、33回忌などの一定の期間が過ぎたら遺骨を合祀墓に移して、他の遺骨と合同で供養をするので個別にお参りができなくなる、合祀されたら遺骨が取り出せなくなるなどがあります。

墓じまいをする際には、たくさんある改葬方法の中から自分や親族の気持ちにあった方法を選ぶことが大切です。永代供養も一つの方法として検討に値するものです。メリット、デメリットを理解して検討を進めましょう。